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審査官の1年間の審査件数は何件?/弁理士 加藤 肇

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 特許庁の特許の審査官、及び、商標の審査官の1年間の審査件数は何件でしょうか。特許行政年次報告書を参照して大まかな値を推測してみます。
 特許の2019年度の一次審査件数(出願に対する1回目の審査結果の通知件数)は約22万7千件(※1)で、再着審査件数(1回目の審査結果が通知された出願について、意見書/補正書が提出された場合における2回目以降の審査結果の通知件数)は約22万1千件(※1)となっており、審査官数は1682人(※1)ですので、1人当たりの一次審査件数及び再着審査件数はいずれも130件強となります。審査官数には、主に審査以外の業務に従事する人数が含まれており、審査官は国際調査報告の作成業務等にも携わっていますので、統計からは、1人の審査官が1日に一次審査及び再着審査をそれぞれ1件行っていることが読み取れます。
 一方、商標の2019年度の一次審査件数は約13万5千件(※1)で審査官数は140人ですので、1人当たりの一次審査件数は単純計算で約1千件と読み取れます。
 知財業界の人ならば、商標の審査よりも特許の審査のほうが時間を要することはなんとなくイメージできますが、統計を参照すればはっきりと数値として現れます。
 今回取り上げたのは特許行政年次報告書内のごく一部の統計ですが、他にも様々な興味深い統計が載っていますので、それらを参照すれば審査の現状を垣間見ることができます。

※1:特許行政年次報告書2020年版                                                                    

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