日本弁理士会の国際活動~インド・デリー訪問~/前年度国際知財委員会 弁理士 木村 誠司
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本年二月初旬、日本弁理士会による国際活動の一環として行われたインド派遣事業に派遣団団長として参加しましたので、紙面をお借りしてご紹介させて頂きます。
このインド派遣団は日本弁理士会東海支部から5名と同国際活動センターから1名の合計6名の弁理士により構成されました。今回の派遣の主な目的は次の三つでした。第一の目的は、日本のお客様がインドへ事業進出をされる際に、私達弁理士が知的財産の側面からより効果的なサポートを提供するための知見を深めるということです。第二の目的は、日本弁理士会東海支部がインドの知的財産実務家と今後継続的な交流関係を構築するための糸口を探るということです。第三の目的は、インドにおける知的財産ユーザーに対して日本の知的財産制度および実務を紹介するということです。
以上の目的に鑑み、派遣に際しては、インド商工省産業政策振興局、インド特許庁デリー特許局、CSIR(政府系研究機関)、ジャパンプラス、インド愛知デスク、JETROニューデリー事務所、そしてニューデリーおよびデリー近郊の複数の法律事務所を訪問しました。
各訪問先においては大変活発な意見交換を行うことができ、その中で、インドの知的財産政策および実務の現状と今後の展望について有用な情報を頂戴することができました。特に、知的財産権の早期取得と活用とを促すインド政府の取り組みが実際に奏功し始めているとのご紹介がありましたが、このことは日本のお客様を含むインド国外のユーザーにとっても朗報であると思います。このようにして得られた情報はしっかりと共有し、今後、私達弁理士がお客様に対してサービスを提供する中で活用できるようにしたいと思います。
また、今回の派遣では、日本の知的財産制度および実務を紹介する場として、現地の法律事務所のご協力のもとでセミナーを開催しました。掲載写真にありますように、現地企業の方々や、政府関係研究機関の方など、多くの皆様のご参加を頂きまして、非常に活気の溢れるものとなりました。セミナーの場では、日本の知的財産実務について具体的な質問を多数受けました。また、参加者からは、同様のセミナーにつき、今後も継続的な開催を要望するとのお声も頂きました。もしもこのような形で日本の知的財産情報の発信を継続的に行うことができ、それにより、東海地域とインドとの交流の活性化に資することができるのであれば、大変嬉しく思います。