補助金と知的財産権/弁理士 小西 富雅
- 権利取得
- 戦略/活用
経営者に関心の高い、ものつくり補助金や事業再構築補助金においても知的財産権に関係する費用を補助金で手当てできる場合がります。その有効な活用法について考えてみます。
<タイムスケジュール>
これらの補助金制度を使えるのは1年間です。現在の特許出願制度において、早期審査制度を利用すれば、拒絶理由が出された場合も含め、1年以内での権利取得が可能です。つまり、特許取得までの全費用に補助金を充てることができます。この場合、十分な事前準備が必要です。
<事業再構築補助金と調査>
事業再構築補助金は、新規事業への取り組みとなります。既存の事業であれば、いわゆる土地勘(ライバル企業やマーケット規模)がありますが、新規事業であればその点が不安です。有望な事業ではすでに他社が活動しています。これら他社は、自分の事業を守るために知的財産権のクモの巣を張っています。くもの巣にかかったら、新規事業展開に要した時間、費用が無駄になります。よって、進出しようする事業分野での知的財産権の事前調査は必須です。
知的財産権の調査を行いますと、先行する他社が判明することの他に、特許切れの自由技術の把握もできます。自由技術は安心して使うことができますので。