国際化の流れと外国出願
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企業の国際化の流れを受けて、特許出願も外国出願が増えています。日本の企業が外国出願をする場合、まず、日本で特許出願をし、この特許出願の内容を含む外国出願をすることが通常です。多くの場合、日本語の出願書類を英語などの外国語に翻訳する必要があります。
問題になるのは、言語の違いです。川端康成先生著「雪国」の冒頭文「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」を例に挙げると、この冒頭文には少なくとも主語がありません。英語には原則として主語が必要ですので、この冒頭文の英訳には、主語を補うなどの対応が必要です。補う主語も、「私が」なのか「汽車が」なのかと迷うかもしれません。誤った主語を補うと、誤訳になります。
外国出願をするかもしれない場合、可能な限り、日本語の出願書類を作る時に誤訳を防ぐ対策をとっています。例えば、日本語で理解しやすい出願書類を作ることは、翻訳者にも翻訳しやすい出願書類となります。また、図面は文字を除いて外国出願にそのまま使うことができますので、図面を活用することも心がけています。
以上のように、外国での有効な特許取得も考慮しながら出願書類を作成しております。
弁理士 池田 建志