特許料等の新減免制度 4月1日スタート~すべての中小企業が軽減対象に~
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来たる4月1日に中小企業等を対象とする特許料等の新減免制度がスタートします。これまで一部の中小企業のみが対象とされていた特許料等の軽減措置が、今後はすべての中小企業に拡充されることになります。以下、新減免制度の概要を紹介します。
1.対象出願
施行日(平成31年4月1日)以降に審査請求をした特許出願が新減免制度の対象となります。従って、施行日以降の出願が新減免制度の対象となるのは勿論のこと、出願日が施行日よりも前であっても施行日以降に審査請求を行った場合は新減免制度の対象となります。一方、施行日よりも前に審査請求を行った場合は、新減免制度の対象とはなりません。
2.対象者
すべての中小企業が新減免制度の対象となります。これまでは個別法によって、赤字企業や研究開発型企業などに軽減対象が限定されており、減免制度を利用する中小企業が全体の三分の一程度の利用にとどまっていましたが、今後はすべての中小企業に利用が拡がることになります。尚、従業員数又は資本金の要件が中小企業の要件を満たしていても、大企業に支配されている会社は中小企業に該当せず、新減免制度の対象となりません。
3.対象となる手数料と軽減率
軽減の対象となる手数料は、1~10年分の特許料(特許権を維持するために支払う手数料)、審査請求料(特許出願の審査を請求する際に支払う手数料)、及び国際出願関連手数料(国際出願を行う際に支払う手数料)の3種類です。軽減率は出願人の類型により異なり、次の通りとなっています。
(ア)中小企業、特定中小企業、試験研究機関等(大学、大学の技術移転を行う事業者、試験研究独立行政法人等):半額軽減
(イ)小規模企業(従業員20人以下)、中小ベンチャー企業(設立10年未満):三分の二軽減
(ウ)福島復興再生特別措置法の認定中小企業:四分の三軽減
4.減免申請方法
4月1日以降に審査請求した出願については、減免申請書を提出しなくとも、「出願審査請求書」等の手続書類に特記事項として「減免を受ける旨」と「減免申請書の提出を省略する旨」の記載をすれば、減免を受けることが可能となります。証明書類の提出も不要です。尚、新減免制度では減免申請先がすべて特許庁に統一されます。
以上の通り、新減免制度ではすべての中小企業で軽減措置の恩恵を受けられるようになりますので、是非とも制度を有効に活用して頂きたいと思います。新減免制度の詳細については、特許庁ホームページを参照されるか、弁理士までご相談ください。
弁理士 藤川 敬知