特許料・登録料↑↓?/弁理士 渥美 久彦
新聞掲載記事- 特許(発明)
去る5月14日に「特許法等の一部を改正する法律案」が成立しました。今回の法改正は比較的小さいもので、主要な制度を変更するものではありません。改正の柱は3つで、その1つが「訴訟手続や料金体系の見直し等の知的財産制度の基盤の強化」というものです。この改正について特許庁は、審査負担増大や手続のデジタル化に対応し、収支バランスの確保を図るためだと説明しています。
例えば特許料・登録料については、「上限額を法定し、具体的な金額を政令で定める」としていますが、これを読んでも良くわかりませんよね。このご時世、ユーザーにとって「見直し」が値上げ・値下げのどちらか気になりますが、特許料・登録料はどうやら「値上げ」になりそうです。PCT出願は値上げ決定です。
ただし、出願料や審査請求料などは値上げの対象ではありません。今回の料金改定の背景は、特許庁では2013年を境に赤字が続き、余剰金がピーク時の数分の1になったことにあるようです。政令の発表も新法の施行もまだ先ですが、特許料・登録料の納付や、PCT出願を予定している方は、経費削減のためにも、納付や出願をいつまでにするか考えておいたほうが良さそうです。