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特許権の価値/弁理士 吉安 裕史

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 先日、コロナにより開催が延期されていた「週末パテントセミナーin岐阜」にて、特許権侵害訴訟の説明をした。そこでは、中小企業A(従業員100人)vs大企業F(従業員5万人以上)に関する訴訟を紹介した。
 特許権とは、独占排他権といわれ、独占禁止法の適用除外となっている。即ち、特許権者は、その特許権に係る商品等を、市場において独占して販売等することが法的に認められている。このような商品を第三者が勝手に販売する行為は、その特許権を侵害するものとして、差止請求や損害賠償請求の対象となる。
 前述の訴訟では、中小企業Aが原告・特許権者であり、大企業Fが被告・被疑侵害者である。この大企業Fの被疑侵害物件は、ショッピングモール等でもよく見かけるものであり、全国に展開されている。従って、仮に中小企業Aが勝訴した場合、大企業Fは、多額の損害賠償金を払う可能性がある。
 現在、この訴訟は係争中であり、どのような結末になるかは定かではないものの、従業員数や資本金等、比較的規模が小さい中小企業Aが、大企業Fにも及ぶような力を発揮させることが可能な特許権は、非常に価値が高いといえよう。

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