「特許」事務所の仕事/弁理士 天野 真理
新聞掲載記事- 弁理士会
以前、私が特許事務所で働いていることを知った方から、「発明をする仕事なんてすごいですね」と言われたことがありました。正確には、特許事務所で働く弁理士は、発明をするのではなく、発明の権利化を支援する様々な業務を行っています。例えば、発明者とのインタビューを通じてアイディアを引き出し、それを守る適切な権利が取得できるようサポートすることは我々の重要な役割のひとつです。また、特許権取得の支援だけでなく、侵害予防調査や鑑定などを行う弁理士もいます。
世の中で特許と発明との関連は比較的広く認知されているようですが、通常、特許事務所の業務は特許(発明)に関するものだけにとどまりません。実用新案、商標(ロゴやマーク)、意匠(デザイン)なども、特許事務所で扱われる業務分野に含まれます。このような背景から、弁理士による法人の名称が、令和5年3月31日までに「特許業務法人」から「弁理士法人」に変更されます。近年、名称に「特許」を含まない事務所も増えてきたようです。私自身も、特許に限られることなく、知的財産全般に関する見識を深め、お客様により良いサポートを提供できるよう努めていきたいと思います。