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生成AIと著作権/弁護士・弁理士 小澤 尚記

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 私は弁護士を主としていますが、弁理士としての業務も行っています。
 さて、生成AIが登場し、その能力は日進月歩で進化しています。
 これまで弁護士が頭で考えて作成していた書面も、膨大な判例などを学習した生成AIによって、必要な情報だけを入力すれば自動的に生成される時代がくるかもしれません。また、弁理士の分野でも、例えば商標のイメージデータを生成AIに取り込めば、先行・類似商標の存在や商標登録の可能性も判定してくれるような時代がくるかもしれません。
 ところで、生成AIは大量の情報を取り込み、学習することで、その能力が向上していくものですが、取り込む情報は人間が用意した情報ですので、その中には著作権が生じているものも含まれます。
 この生成AIと著作物との関係を、文化庁・文化審議会著作権分科会法制度小委員会が「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日公表)として整理を試みています。
 この整理によれば、生成AIを利用する人間が既存の著作物を知らなくても、生成AIが学習段階で取り込んだ既存の著作物に依拠して生成したものについては、人間の直接的な介在無く著作権を侵害する可能性もありえるので注意が必要です。
 専門職として、テクノロジーの限界にも注意しつつも有効活用をし、今よりも提供できる価値をさらに高めたいものです。

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