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津で知的財産セミナーを行う~週末パテントセミナーin津~

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 日本弁理士会東海会では、東海地域の各所において知的財産(知財)に関する市民講座であるパテントセミナーを開催しております。去る令和1年11月15日(金)にも、三重県津市のプラザ洞津にて、伊勢新聞社と共催で「週末パテントセミナーin津」を開催しました。当該セミナーには中小企業経営者や公的団体関係者などを中心に40名を越える参加者があり、知財の保護手法や企業の知財活用例などについて具体的事例も交えながらご紹介しました。

 セミナーでは、最初に主催者として日本弁理士会東海会会長奥田誠と、伊勢新聞社取締役営業総務局長田仲弘樹よりご挨拶申し上げた後、第1部として基調講演、第2部としてパネルディスカッション、第3部としてポスターセッションを行いました。

 第1部では、三重県で何かと話題の万協製薬の松浦信男社長に、「知財を活かしたものづくり」と題してご講演頂きました。万協製薬は、ドラッグストア等で販売されている医療商品の製造を主業務としており、他社の特許権が切れた技術を主に採用しているそうです。そのため、「新商品を開発するに当たって、自社で特許権を取得する ことを検討する必要も当然にあるが、何より他社の特許権侵害とならないか調査が重要である」とのことでした。

 第2部は、「一筋縄ではいかない『知的財産の捉え方・考え方』権利取得を目指す?ノウハウで保護する?etc-」と題して、基調講演頂いた松浦社長、日本弁理士会東海会三重県委員会の坂岡範穂副委員長、三重県産業支援センター知財総合支援窓口の村上一仁氏の3名で討論しました。モデレータは、日本弁理士会東海会副会長の中島正博が行いました。坂岡弁理士からは、新商品の開発の段階で特許を取得しなかったところ、他社に類似特許を取得されて開発が滞った事例や、比較的シンプルな技術でも特許権の取得は可能である事例などをご紹介頂きました。村上氏は、「中小企業や個人事業主でも素晴らしい技術を有しているが、知的財産に関する知識や関心が低い方もお られる。先ずは知的財産の重要性について“気付くこと”が大事ではないか」と話されました。また、知的財産の保護手法としては特許権等の取得のみならず、ノウハウとして秘匿する選択肢もある。しかし、ノウハウで秘匿する場合は徹底した秘密管理が必要であり、苦労が多い。したがって、自社技術を特許で保護するかノウハウとして秘匿しておくかは慎重な判断が必要であり、悩みどころであるとの議論がなされました。なお、このように知的財産について分からないことや悩み事などがあれば、日本弁理士会東海会や産業支援センターにおいて無料相談も行っているので、これらを活用してみらよいという紹介もありました。

 第3部は、世間でヒットした4つの商品について、知的財産がどのように活用されているかや開発秘話などについて、日本弁理士会東海会三重県委員会の弁理士がご紹介しました。具体的には、弁理士笠井美孝がエンジニアの「ネジザウルス」について、弁理士小林洋平がロッテの「キシリトール」について、弁理士寺本諭史がベネッセコ ーポレーションの「すっくの傘」について、弁理士岡浩喜がおやつカンパニーの「フランスパン工房」について、それぞれご紹介しました。ポスターセッションでは、説明する弁理士と参加者との距離が近くフリートーク形式で行ったため、参加者からは「適宜自由に質問しながら世間話感覚で楽しんで話を聞くことができた。知的財産活用 の重要性はもちろんとして、紹介頂いた商品にも愛着が湧いた」というご感想を頂きました。

三重県委員会 弁理士 伊藤 寿浩



パネルディスカッションの様子

 

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