知財活動の可視化~知財デザインシート~/弁理士 水越 邦仁
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私は、眼科医療機器メーカーの知的財産部門で企業内弁理士として働いております。当社は、過去、米国特許訴訟を受けて11連勝した経験もあり、権利化業務や特許調査等の知的財産活動は、企業経営において重要な役割の一つとして認識されております。
近年の知財部門の活動としては、「知財企画型への転換」を中期ビジョンとし、開発者からの発明届を待つ受け身の組織ではなく、経営陣や開発部門に対して知財部門から積極的な提案を行っていく提案型組織への転換を図っております。
知財部門からの提案の一つが「知財デザインシート」です。これは、①自社出願状況、②他社出願状況、③市場情報(例:市場規模、市場シェア)を可視化した上で、出願戦略(例:出願件数・注目技術)、権利更新戦略(例:保有特許の維持年数)等の知財活動方針をA3一枚にまとめたもので、各開発部門と開発部門全体用に各々作成しました。
経営陣や開発部門の反応は、結構好評で、他部門から見えにくい知財活動を可視化する一助となりました。経営陣や開発部門とのコミュニケーションツールとして今後も活用していく予定です。